太刀 無銘 吉包
(附)変わり塗鞘打刀拵


刃長      二尺三寸七分(71.9cm)
反り          八分五厘(2.6cm)
元幅         八分四厘(2.55cm)
先幅         五分七厘(1.75cm)

(公財)日本美術刀剣保存協会 第十四回特別重要刀剣指定品


 古備前物の一般的な作風は、生ぶの姿は腰反り高く踏張りがあり、先へ行って伏しごころを見せ小鋒に結び、鍛えは板目肌に地沸がつき地景が交じり乱れ映りが立ち、刃文は小乱れ、小丁子、互の目等が交じり沸づき金筋のかかるもので、総じて華やかに乱れるものは少なく、直刃調か浅いのたれを基調とするのが通例である。
 この太刀は僅かに区を送るがほとんど生ぶの姿であり、細身で腰反りの高い優美な体配で、地鉄は小板目鍛えに地斑映りごころとなり、刃文は小乱れ調で沸が厚くつくなど、古備前物の特色が顕著である。また、広直刃調に小乱れる刃文も交え、直ぐに小丸で掃きかける帽子等に吉包極めがうかがえる。地刃共に健全で明るく冴える優品である。
 附属の打刀拵は変わり鞘がとても特徴的であるが、上手にまとめられている。江戸後期頃の作と鑑せられる。