信盧は本姓を端氏といい、遠江国浜松で享和三年(1803年)に生まれた。
 初銘を政普と名乗り、岩間政盧の門人となり、後に信随にも師事して、信と盧の片方ずつを貰い工銘とした。社会的には、はじめ法橋の位に任じ、次いで法眼に叙されているのは異色である。
 作品は、四分一や赤銅が多く、磨地に肉彫が得意で、魚々子は少ない。本来は、政随や政盧の様な浜野流の高彫工法であるが、矩随や乗意式の肉合彫や片切平象嵌にも達者な腕を示している。
 本作は、四分一・磨地に高彫・片切で茄子をかわいらしく表現しており、信盧のセンスの良さと技術の高さが窺える優品である。