脇指(銘) 相模守政常入道


刃長    一尺一寸六分(35.2cm)
反り        一分(0.3cm)    
元幅        九分九厘(3.0cm)

(公財)日本美術刀剣保存協会 第三十五回重要刀剣指定


 相模守政常は美濃国納土に生まれ、初め兼常と銘した。永禄十年に分家独立して小牧村に移り、この頃に名も政常と改めたものと思われる。天正十九年五月には相模守を受領し、慶長五年に松平忠吉に従って清州に移っている。慶長十二年に入道してその子に相模守政常の名を継がせたが、その二年後に二代目が急逝したので、再び現役にかえって鍛刀した。以来政常入道として入道銘を用い、元和五年に八十四歳で歿した。
 本作は互の目乱れに小のたれ、小互の目などが交じり、互の目が総じて箱がかり、小沸よくつき、細かに砂流しかかるなどの出来口で、通常の作と比べ刃取りが大胆で沸が一層よくつき、匂口も明るく、地鉄には古色が感じられる。
 また、簡素ながら彫物もすっきりとしており、刃身とよく調和していて体配、地刃の出来、彫物などから相州上工、就中貞宗を狙ったものだろうか。古作に範をとりながら、政常の特色があらわれた同作中出色の出来である。