太刀(銘) 大和国住藤原包久
(室町時代初期)


刃長        二尺三寸(69.7cm)
反り         六分二厘(1.9cm)
元幅        九分四厘(2.85cm)
先幅         五分九厘(1.8cm)

(公財)日本美術刀剣保存協会 第六十一回重要刀剣指定品
日本刀工辞典 古刀編 七十一頁所載



 手掻派は大和五派の中では最大の流派で、包永を祖として東大寺の西の正門である輾害門の外辺に一派が居住して作刀したことからこの名がおこったと言われている。以後、同派は南北朝期を経て室町期に至るまで栄えており、銘鑑は包久について、南北朝時代の文和より室町時代の文亀まで、同名三代の継承を伝えている。
 本作は地刃の出来及び銘振りより、室町時代初期の包久の作と鑑せられるもので、板目が総体に流れて柾がかかり、地沸つき地景の入った鍛えに直刃調に互の目を交えた刃文を焼いている。刃縁にほつれ、喰違刃が現れ、沸よくついて地刃共に明るく冴えるなど、総体的に室町初期の手掻派の美点をよく現わしている。室町初期の手掻派の在銘の太刀は現存少なくとても貴重であり、一見南北朝期を下らぬ手掻派の作を思わせる地刃の冴えと古色を合せ持った一口である。